天気の子

腹が痛かったなー……。最後まで含めるとめちゃくちゃ大好きだし多分「君の名は」よりも好きになったんだけど、最初があからさまに「搾取する大人と(いくらかはしょうがないにしろ本人の意思で)軽率な子供」でめちゃくちゃキツかった。またそういうのを逸らすことなく見せてくるんだもんな。明るい音楽で新しい生活風に流されて(君の名はにもあった、ああいう音楽で一気に見せる方法は好きです。賑やかで見ていて楽しいし、限りある尺の中で日々の積み重ねは必要だけど大事なところはそこじゃねぇ、って時に上手いショートカットだと思う)も辛かったです。
それまでのことはまぁこうならざるを得なかった環境とか、本人にとって決してよくない状況なのによく教えないでそのまま調子よく搾取する大人達が悪いとかも言えなくもないけど、発砲とかマジで本人の軽率じゃん……。殴ってきた大人も馬鹿だけど、勢いが過ぎる……。
マジで虐待とか搾取とかいじめとか苦手だな。なんで痛々しいの苦手なのにそれに近しいもの書いてるんですか? でも人死にが娯楽になってるの(パニック、ミステリー)は好きなので、そこの微妙な境目なんだろうな。

でもいつから楽しくなってきたのかな。やっぱ100%の晴れ女やり出した頃からかな。めちゃくちゃ安い設定してて、まぁ子供だし正直具現性が描けない仕事だし最初はなぁ、しょうがないよなぁ、と思いながらああ〜〜また搾取される〜〜〜ってハラハラしてたら最初のおじちゃんが(仕事を本当にすごいと思った訳だけではないだろうけど)提示してた金額より多く出してくれてよかったな。幼稚園の子も出したり、提供側と支給側がお互いがお互いできるだけの最善を出し合ってる感じがあってよかったなぁ。やったらやった分だけ見返りがあって。(よくよく考えてみたらあそこも最初の社会との対比だったんだなぁ)勿論あんなに雲や水を動かせてしまうことに漠然とした不安も感じてたけど。
泊まる場所探してるところはまた本当にお腹痛かったな。こういう時に社会はすごく手厳しい。簡単にできたら子ども達の「保護」ができないからだろうけどさー。その保護だって別に仕事だから、本当に物凄く本人達に寄り添って親身になってくれる訳ではないし、それをする専門家は専門家でまた別にいるし、そういったことに一件一件心砕き過ぎる人は逆にきっと仕事には向いてないんだろうし、でもそういう大人の「割り切り」が子供にはめちゃくちゃ辛いじゃん。「味方」の顔をしてきても(実際俯瞰した目ではどちらかと言うと味方してくれてる側の方なんだけど)「理解者」になってくれないならそれは別に味方じゃないじゃん。
ああいうところから大きかったり小さかったりする絶望を少しずつ重ねていって、諦めて、だからもう「ほっといてくれよ」ってなる。(ずっと真夜中でいいのに。でも「ほっといて」って出るんだよな)
すごく実感のある言葉だなって思った。その場だけ見た大人達には何も伝わらないけど。
今までほっといていた癖にな。何で今更構うんだよ。勝手だよな。本当にな。

最後のシーンも、もしかしたら今後現実に少し起こり得るかもしれないと思わせた沈みかけた世界よかったな。ディストピア感と街の綺麗さと、結局結構受け入れて適応しちゃってる日本人のなんとなくの恐さと(適応しなきゃしょうがねーんだけど)。船が電車ルートになってるのもちょっとかわいかった。
「君のせいじゃないよ」「仕方なかったんだよ」目をそらして相手のせいじゃなかったと言う優しさが、まあそういうときそう言うしかないよなぁって思いつきはする慰め方だけど、別に納得はしないよくある言葉で。でも受け入れるしかない。喉に残った違和感をやり過ごして、時間が経ってなんとなく溶けるまで待って、飲み込むしかないような形の悪い屁理屈を真っ向から否定して、「大丈夫だ」って何が大丈夫なのか全然わからない。「そう持ってくるか」って思いもしなかった答えと、根拠も理屈もない。でもとっても力強い、ずっと芯のある言い切り方が気持ちよかったな。

すごく苦しくなるけどすごく楽しかったです。いい映画でした。

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